【Revolut】グローバルFinTech x 国内初のデジタルバンクの協業で実現するBaaSの意義
2025.2.19
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2025年2月19日開催の第3回“みんなのBaaS”セミナーにて講演いただきました、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN株式会社とのセッションのレポートをお届けします。
本セッションでは、RevolutがBaaSを活用することで実現した革新的なサービス事例に加え、みんなの銀行への期待感や開発環境に対する評価、グローバルなFinTech企業の視点から見た日本市場の可能性についてお話しをいただきました。
セミナーアーカイブを公開しておりますので、そちらも併せてご覧ください。
こんな企業の方におすすめ
- 自社サービスに、銀行口座連携(A2A決済)によるチャージ機能を導入したい
- 日本市場に挑戦するため、英語で開発を始められる環境へシフトしたい
- 日本の金融プレイヤーの知見を活かして事業展開を広げたい
プロフィール
目次
オープニング:ご挨拶
Revolut社の長谷川 智子氏(以下、長谷川氏)に、同社のサービス概要や日本市場への進出背景、今後の展望についてお話しいただきました。

Revolutについてご説明いただく長谷川氏
長谷川氏
Revolutは、2015年にイギリスで創業したFinTech企業で、日本では2018年に第二種資金移動業者として登録、2020年10月からサービスを開始し、2025年1月に電子決済等代行業の登録を受けました。
創業者のニコライ・ストロンスキーが海外出張の際に感じていた「両替の高額な手数料を解消したい」という思いで外貨両替から始まった当社ですが、現在では送金やカードでの決済、支出管理や株・暗号資産取引などのさまざまな金融サービスをスマホひとつで提供し、欧州のミレニアム世代の支持を得ております。日本でもより日用のシーンでご利用いただけるよう、海外で提供中のサービスを日本のお客さまにも提供していく予定です。

Revolutのサービスラインアップイメージ(2025年2月19日時点)(図1)
- ※ 日本で未提供のサービス内容を含みます。
みんなの銀行とRevolutの取組みの経緯
続けて、Revolutとみんなの銀行がどのようにBaaS事業で協業を開始したかについてお互いの目線からお話いただきました。
吉冨
Revolutさまとは、2020年のサービス開始当初から協議を重ね、2023年6月にBaaS事業における基本合意をレボリュートジャパンとみんなの銀行として締結しました。
その後、共同マーケティング施策などを実施しながら関係を深め、2024年10月にレボリュートグループとふくおかフィナンシャルグループの両グループでの戦略的パートナーシップの締結に至りました。

みんなの銀行とRevolutの取組みの経緯について(図2)
長谷川氏
2024年10月に両社がAPI連携した「クイック銀行チャージ」サービス開始後の共同キャンペーン第4弾でも、Revolutのデイリーアクティブユーザーが1.5倍になるなど、両社の相性の良さを感じています。 両サービスともにモバイルプラットフォームであり、デジタルネイティブな層をターゲットとしている点など、顧客層の親和性も高く、共同で取組みを進めていくことで、お客さまのニーズに合致したプロダクトを生み出せると期待しています。
吉冨
さまざまな取組みを進める中で、両社の相性の良さは確信へと変わりました。
当初はAPIの提供が初期スコープでしたが、「ふくおかフィナンシャルグループの銀行サービスをRevolutさまにも活用いただきたい」、逆に「Revolutさまの優れた外国送金サービスを我々の中にも取り込みたい」といった議論が発展し、両社グループでの戦略的パートナーシップ締結に至りました。
みんなのBaaSの活用実績
共同での取組みとしてまず形となった口座直結型の「クイック銀行チャージ」の概要と導入効果について、長谷川氏は語ります。
長谷川氏
従来、お客さまはカードや通常の銀行振込で入金していましたが、手数料が発生したり、入金元銀行のアプリを操作したりと手間がかかっていました。またカード入金では送金やATM引出しに利用することができません。
「クイック銀行チャージ」のリリースによって、Revolutアプリ上でかんたんにチャージできるようになりました。カード入金された残高とは異なり、この残高は送金やATM引出しにもご利用いただけます。
みんなの銀行から銀行振込でRevolutにチャージされていたお客さまの80%が、すでに「クイック銀行チャージ」に移行くださっています。
吉冨
8割という数字はインパクトがありますね。

クイック銀行チャージの概要について(図3)
長谷川氏
お客さまの使い方にも変化があり、1回あたりのチャージ金額の中央値は、4万円から1万円と1/4に減少しました。これだけだと良い効果なのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、なんとチャージ回数が1.6倍に増加しました。
今まで銀行振込では都度手数料がかかるからとまとめてチャージしていた方が、自分の必要なときに必要な金額をチャージして使っていただけるようになったと感じています。

クイック銀行チャージの導入効果について(図4)
長谷川氏
コスト削減効果も大きく、同様に即時にチャージできるカードによる入金と比較して、54%のコストを削減できました。
加えて、銀行振込でのチャージで発生していた組み戻しなどの事務負担も大幅に削減ができたと考えています。
ファイナンシャルグレードAPI(FAPI)によって厳格なセキュリティで認証認可もされるため、不正な入金も発生していません。
みんなのBaaS導入時の開発環境
このようなプロダクトにかかわるエンジニアリング体制について、お互いの目線からお話いただきました。
吉冨
みんなの銀行自体は、エンジニアを抱えて内製化を進めており、自分たちで価値を生み出していけるような体制を目指しています。
組織としても、グループという縦の体制と、価値・機能単位でのユニットという横の体制を敷いているので、ワンチームでのコミュニケーションで意思決定も迅速です。
長谷川氏
Revolutはグローバルな企業ですが、みんなの銀行との開発は英語で進めることができました。開発者が翻訳者を介さずに直接コミュニケーションを取れる環境であり、仕様についてもFAPIに準拠しているため、開発者にとっては非常に進めやすかったと聞いています。
また、コミュニケーションツールを使ったやりとりでも、みんなの銀行からのレスポンスが早く、効率的な開発ができたと考えています。
グローバルFinTech視点から見る日本市場
吉冨は、グローバルで著名なプレイヤーの皆さまとのパートナーシップが進んでいる背景から長谷川氏に問いかけます。
吉冨
みんなの銀行では、Revolutさん、moomoo証券さん、TGオクトパスエナジーさんといった、グローバルで非常に著名なプレイヤーの皆さまとのパートナーシップが進んでいます。
日本でビジネスを展開していく上では、どのような課題がありますか?
長谷川氏
グローバルでさまざまな金融サービスを展開していますが、日本で金融サービスを提供するにあたっては新たなライセンスが必要となることもあり、現地のパートナーというのはRevolutのビジネスに不可欠です。
今回リリースしたクイック銀行チャージでも、日本の金融規制への対応が必要でしたが、みんなの銀行はAPI接続に関する契約の中でしっかりとポイントをカバーしており、リードいただけました。
また、Revolutはさまざまなものがヨーロッパに集約されているため、日本独自の仕様がある場合はグローバルのフレームワークに組み込んでいく必要があります。
みんなの銀行の開発チームのみなさまには、このプロセスへの理解とグローバルからの質問事項への回答にも柔軟に対応いただき、無事に統合することができました。

グローバルFinTech視点からみる日本市場(図5)
まとめ
REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN株式会社とのセッションでは、以下についてお話しいただきました。
- BaaSを活用することで提供可能となるサービス事例
- みんなの銀行への期待感や開発環境に対する評価
- グローバルなFinTech企業の視点から見る日本市場
また、本セッションの最後には、みんなのBaaSを活用したRevolutの今後の展開についてもご紹介をいただきました。
ぜひアーカイブ配信にて、ご確認ください。

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